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おはようございます!
”ムラの論理”を忖度
厚生労働省に所属する研究機関である感染研は、新型コロナウイルス問題でも中心的役割を担う。
政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の座長は感染研所長。
感染研感染症疫学センター長と感染研OBの川崎市健康安全研究所所長もメンバーだ。
ちなみに首相補佐官との「コネクティングルーム不倫」で週刊誌を賑わせ、
クルーズ船対応では『引き続き感染拡大防止に向けて万全の体制をとって参りたい』と記者会見で説明するなど、
スポークスマン的な役割を務めた厚労省の審議官も感染研の出身だ。
検査以外にも感染研には様々な権益が集中していると語る。
感染研は国立がん研究センターのような独立行政法人ではなく、
国立のため国の予算がつき、その中には大学病院などに研究費として回せるものもある。
さらにワクチンの製造から評価までの実質的な許認可権を持っているため、
ほとんどの大学の研究者は感染研に頭が上がらない。
その強大さゆえ、”感染症ムラ”の住人が厚労省や感染研と異なる主張をするのは難しいのだ。
厚労省は「症状が軽い人は自宅療養を求める」と重症者以外への検査を拡大しない基本方針を示した。
納得できない国民は多いが、一部の専門家はこの姿勢に同調する。
2月25日のNHK『二ユースウオッチ9』には専門家会議のメンバーである東北大学大学院教授が出演し、
「軽い症状だけど心配だから病院に行くとなると感染が広がる。
感染している可能性がある人はできるだけ家にとどまってほしいと解説した。
3月3日の同番組には、前述した専門家会議メンバーで感染研OBが出演。
相当数やるとなると、精度の問題とか、ある程度目をつぶらなければいけなくなってくる。
余裕を持ってる時問がないとぎっちぎちでやるのはリスクになると発言した。
厚労省や感染研を敵に回しかねない姿勢との違いが浮かび上がる。
感染症の世界は、物言えば唇寒しとなるムラ社会。もちろんその一員ですが、
それでも感染者の命に関わる状況に危機感を抱いて、
感染研を敵に回すリスクを承知であえて発言したのでしょう。
大変勇気のある告発だと思います。
専門家たちが視線を向けているのは「組織」か、「国民」か。
岡田氏が賞賛されているのは、その本質を視聴者たちが見抜いているからなのだろう。
(「週刊ポスト」2020年3月20日号より)
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