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おはようございます！

和歌山県立医科大学消化器内科の教授が解説する。

すい臓がんの早期発見を目的とした

膵癌早期診断研究会によると、

検診で異常を指摘された人などを対象に行なった検査で、

ステージ0とⅠに限ると腹部エコー検査で

発見できる確率は53％で

造影剤を使ったＣＴ検査で52％、

ＭＲＩ検査では45％ほどですが、

超音波内視鏡検査は76％。

当院では超音波内視鏡検査に、

腹部エコー検査やＭＲＩ検査など

2～3個の画像とも見比べて

より多角的に観察しています。

すい臓がんドックの歴史は浅く、

病院により検査項目や方法は様々だが、

精度の高さから期待を集めているのが

超音波内視鏡検査というわけだ。

ただし、留意すべき点もあると前出の医師は指摘する。

超音波内視鏡検査には、

医師の技術力や経験の差が

出やすいという問題があります。

すい臓がんのリスクが高いと判明している人以外は、

まずは造影剤を使用した『ＴｈinＳ1iceＣＴ』という

ミリ単位の薄さで断層撮影ができるＣＴや、

高精度のＭＲＩなどを用いてすい臓に特化した検査を受け、

何かが見つかった時に確定診断として

超音波内視鏡検査を行なうのが望ましい。

前出の北青山Ｄクリニック院長も言う。

超音波内視鏡検査ですい臓がんを

見極めるには高い技術力と経験が必要です。

当院では大学病院の専門医たちによる

検査体制を作ることで提供可能となりました。

大病院以外でも超音波内視鏡検査による

すい臓がんドックの提供が広がることは、

早期発見につながる可能性があるものの、

まだまだ発展途上の部分もあると

認識しておいたほうがよさそうだ。

すい臓がんドックは保険適用外で、

費用は病院によるが2万～5万円程度が多く、

検査項目次第では10万円以上となることもある。

超音波内視鏡にＣＴを組み合わせるようなケースでは、

Ｘ線の被曝など身体への負担も出てくる。

検査が必要かどうかの

見極めも重要になってくる。

前出・医師が言う。

まずはすい臓がんのリスクを検討します。

急に糖尿病が悪化した、

家族に2人以上の罹患者がいる、

検査で膵嚢胞が見つかった、

などリスクが高い人は一度精密検査を

受けてみることを勧めます。

すい臓がんのリスク因子が

該当する場合は受診を

検討してもいいだろう。

前出の教授が語る。

すい臓がんドックの受検者の

3分の1から膵嚢胞が見つかり、

約40％が早期幔性膵炎と診断されています。

これらは将来的にはすい臓がんリスクとなります。

検査を契機にすい臓の疾患への理解を深め、

注意深く経過観察を続けるきっかけとしてほしい。

リスクが見つかれば半年に

1回などの経過観察が必要だ。

一方、何も見つからない時に

必要な検査の頻度は、

専門家の間でもまだ統一見解はないようだ。

さらなる研究の発展に期待したい。

（「週刊ポスト」2024年2月9・16日号より）

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