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おはようございます!
断薬を指導する名医25人が登場し、
『薬をやめる手続き』や病気別の
薬のやめ方について解説した。
この特集には、『私も断薬に取り組んでみたい』
と大きな反響が寄せられた。
年齢が高いほど『多剤服用』の
悩みを抱える人は多いが、
厄介なのは患者それぞれの体調や
問題の所在によって『どの薬を
やめていいか』が異なるところだ。
銀座薬局代表で薬剤師が言う。
基本的に多剤併用の人は複数の
医療機関にかかっていることが多いですが、
医師はほかの医療機関の
医師に対して口を出しづらい。
”空気”があります。
そのため、患者さんに『薬を減らしませんか?』と
積極的に提案することは
なかなかないのが現状です。
患者自身が服用の効能とリスクのバランスを
理解しないと漫然と処方され続けてしまうのです。
自分が服用している薬のメリットとリスクが
整理できていないことで、薬はさらに増えてしまう。
厚労省の統計(21年)によると、
『7種類以上の薬を処方されている人』の
割合は65~74歳までは12.9%だが、
75歳以上になると24.2%と大幅に増加している。
どこかで『断薬』と向き合わなければ、
歳を重ねるごとに新たな薬が処方されていく。
とはいえ、長年飲み続けてきた薬を
いきなりやめることには心理的な抵抗感がある。
自身に似た境遇のモデルケースがなければ、
『第一歩』を踏み出すことは難しいだろう。
そこで本誌は専門家たちの協力のもと、
実際に断薬に成功した人たちの事例を集めた。
断薬の名医が、
減薬指導にあたった患者本人の証言や、
薬剤師が長期的に
指導にあたった患者らの症例をもとに、
”断薬”のプロセスを紹介していく。
薬を減らしたいが、
何から手をつけていいか分からない。
こんな悩みを抱える人の参考になるのが、
実際に薬を減らせた人の事例だ。
日本病院薬剤師会は2018年2月に
『多剤投薬の患者に対する
病院薬剤師の対応事例集』を公開。
同会は多剤投薬の実態調査の一環として、
全国48の病院から対応事例を集積し、
内容を精査・厳選したうえで
33の事例を詳細に紹介している。
日本病院薬剤師会専務理事のが解説する。
多剤投薬の患者に対する薬物有害事象の回避や
多職種連携を通じた服薬計画の策定など、
病院薬剤師の業務の参考にするべく公開しました。
日本老年薬学会評議員の医師(たかせクリニック理事長)が言う。
これから多剤併用の見直しに
取り組もうとしている患者さんは、
医師や薬剤師と協力しながら薬を
調整していくことが重要になる。
そのためにもこの事例集は読む価値があると思います。
これらの『成功事例』は、
主に病院に入院することで集中的に
断薬に取り組んだ結果と言える。
病院薬剤師として勤務した経験の
ある前出の長澤氏はこう語る。
入院時、患者さんがそれまで飲んでいた薬
(持参薬)は病院薬剤部で一元的に管理されます。
主治医と病院薬剤師が相談しながら治療にあたるので、
集中的に減薬に取り組むことができる。
事例から具体的な経過や方法を知ることは、
多くの患者の参考になります。
(「週刊ポスト」2021年09月10号より)
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