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おはようございます！

検査数より当てになる死者の数

スペイン……462人、イタリア……411人、アメリカ……143人、日本……2.4人

これは、人口100万人あたりの、新型コロナによる死者数だ。

日本の新型コロナによる死者数は、圧倒的に少ない。これは動かしがたい真実だ。

たしかに、感染計数を比較する場合は、

「日本はＰＣＲ検査の件数が少ないから、

数値が正確ではない」という指摘もある。

だが、死者数を誤魔化すことは難しい。

イタリアやスペインでは2万人以上。

アメリカではニューヨークだけで１万5000人以上が亡くなり、

多い日では一日で700人が新型コロナで死亡している。

だが日本では、一日あたり最多の日でも25人の死亡で、

累計でも約300人のレベルだ。

これだけで、他の国の抱える問題と、

日本で起きていることを単純に比較しても意味がないと分かるだろう。

浜松医療センター感染症内科部長もこう語る。

なぜ日本の死者数が少ないのか。

これは、世界中の専門家が首をかしげている最大の疑問です。

この疑問を説明する説はさまざまにある。

本誌は、研究者の論文から、

いわゆる俗説にいたるまで諸説を精査し、

9つの仮説を導き出した。

何が真実なのか、順に検証していこう。

仮説①クラスター対策が成功したから

これまで日本がとってきた基本的な感染対策は「クラスター対策」という方法だ。

感染者が5人以上出た集団（クラスター）を見つけ、

発症者の行動を追跡して濃厚接触者を特定、

検査する方法です。

2月25日、政府はクラスター対策班を設置し、成果を上げてきました。

たとえば島根県松江市では、4月中旬、

市内の飲食店で従業員や客13人が感染するクラスターが発生した。

この時、感染が分かった従業員の子どもの行動を追跡し、

利用していた保育施設のスタッフ8人も検査を受けた。

結果は全員陰性となり、ここで感染拡大が止まったことが確認できた。

どこで感染が広がったか細かく追跡し、

感染が疑われる濃厚接触者をくまなく検査する。

この方法により、感染の広がりを食い止めることに成功した。

その結果、日本の死者数も少なくなったと考えられる。

海外の場合、クラスター対策はあきらめ、

検査数を増やすことで「早期発見・早期隔離」を目指す国が多かった。

ところが、検査数を増やせば、医者や看護師が検査にかかり切りになる。

その間にも重症患者は死んでいく。

検査を増やした韓国では感染の封じ込めに成功しましたが、

100万人あたりの死者数は4.7人です。

感染症対策の資源が乏しい日本は、

窮余の策として選択したクラスター対策が功を奏し、

人口当たりの死者数を韓国の半分程度に抑えられました。

しかしいま、このクラスター対策が限界を迎えつつあるのも事実だ。

都市部では、感染経路を追跡しきれない『市中感染』が広がっています。

クラスター対策ではすでに手が回らない状況になっています。

（「週刊現代」2020年5月2日・9日号より）

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