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おはようございます！

両肩が「パンパン」に

では『良い血流』とは

どのような状態なのか。

血液のことを説明する際、

よく『サラサラ』『ドロドロ』と

いった表現が使われるが、

『血液サラサラならＯＫ』というわけではない。

全身に必要十分な血液が巡るには、

『通り道＝血管』や『流れ方＝血流』の

ことも考えなければならないからだ。

『「100年心臓」のつくり方』などの著書がある

循環器専門医・池谷敏郎医師（池谷医院院長）はこう指摘する。

ドロドロよりサラサラのほうが当然いいですが、

それは『血液の質』の話。

血液をサラサラにする成分を

薬やサプリで摂取したとしても、

血管内部で動脈硬化が

進んでいる可能性は十分にあります。

サラサラの血液をどう”流すか”が重要で、

『血液の質』だけ改善すれば良くなるわけではない。

高血圧や脂質異常症などの生活習慣病の有無、

ストレスや喫煙、睡眠不足などがあれば、

血液の通り道に”障壁”となるこぶや血栓ができ、

動脈硬化が進んでしまう。

そうなれば血流は滞り、

十分に身体の各部に届かなくなってしまいます。

血流の状態を知るには

動脈硬化の進み具合が指標になるが、

それを簡単にチェックする方法が

伊賀瀬医師考案の『開眼片足立ちテスト』だ。

かかとを揃えて立った姿勢から片方の足を軽く上げ、

1分間姿勢を保てたらＯＫ。

ふらついて足がずれたり、

上げた足が床に着くと動脈硬化が

進んでいると推測される。

私たちの研究では、

太ももの筋肉量が多いほど動脈硬化の

進行度が低いことがわかっており、

その指標として片足立ちを使います。

動脈硬化の進行による血流の障害は、

様々な箇所に現われる。

急性心筋梗塞を発症した前出のトムは、

その”前兆”として約1か月前から

こんな症状に悩まされていた。

両肩がひどい肩こりで、

パンパンに張って痛かったんです。

我慢できなくてマッサージで

ほぐしてもらったが一向に治らない。

鎮痛薬を飲んでも効きませんでした。

肩こりのほか、動脈硬化による

血流悪化の症状として頭痛や耳鳴り、

めまいなどがあるという。

加えて伊賀瀬医師は、

全身を流れる血液の

『量』にも注意を促す。

血液がサラサラでも、

脱水症状を起こした場合は体の水分が失われ、

身体を巡る『循環血液量』が減ります。

全身に血液が行き渡らず血流が悪くなり

大病の”トリガー”になる可能性もある。

そのリスクは日常のいたるところに潜んでいる。

サウナで大量の汗をかいた後や、

飲酒で尿量が多くなったところに

睡眠中の発汗が重なると、

翌朝に脱水気味になる可能性は十分にある。

特に朝は血液が

固まりやすいこともわかっており、

心筋梗塞や脳梗塞が起きやすいとされます。

前出のトムは肩こりなども含めて

血流悪化の条件が重なった末の

発症と言えるかもしれない。

飲酒中や汗をかく前、起床後など、

こまめな水分補給が必要だという。

（「週刊ポスト」2024年3月8日・15号より）

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