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おはようございます!
では四つ目の『歯周病菌』はどうでしょう。
一見、血管とは
無関係にも思えますが、
とんでもありません。
歯周病菌は歯茎の隙間にある
小さな傷から血液の中に入り込み、
炎症性サイトカインという
物質を放出。
この炎症物質が血糖値を
下げるインスリンの働きを妨げ、
血液中の糖を増加させて
高血糖を誘発するのです。
また、歯周病菌が腸にまで届くと、
腸内細菌のバランスが崩れてしまいますし、
最新の研究では血液に混じり込んだ歯周病菌が
アルツハイマー型認知症の
原因になることも分かっています。
つまり、歯周病菌などの口腔内の悪玉菌は、
絶対に血液中に漂わせては
ならない毒素なのです。
血液の汚れの原因となる四つのファクター。
これらを減らすことが血液の浄化、
ひいては血管の老化予防に
繋がることは論を侯たない。
具体的な方策はあるのだろうか。
先ほどもお話しした通り、
血液の汚れの原因となる
『糖』『中性脂肪』は
どちらも糖質の摂りすぎが原因。
そこで、糖質をうまくコントロールできれば
血液の汚れを防ぐことができます。
かといって日々の食事から糖質を
抜いてしまうのはナンセンス。
とにかく気をつけて欲しいのは
『血糖値スパイク』を起こさないことです。
血糖値スパイクとは、
食後の血糖値が急上昇・急降下し、
血糖値グラフが雑のように乱高下する現象。
小腸は、空腹の状態で食事をすると、
最初に食べたものを貪欲に
吸収するという性質があるのですが、
そんな状態で糖質を摂取すると
血糖値が急上昇してしまうのです。
これを防ぐためには、
まず朝食を含め一日三食をきっちり食べること。
さらに野菜やお肉・魚を食べた後に
白ご飯など糖質を摂るようにすることか大切です。
特にお肉は重要なたんぱく源で、
フレイル(虚弱)を防ぐためにも
積極的に摂りたい食品。
私は日頃”安い肉を食べましょう”と話しています。
口に入れた途端、
溶けてなくなるような高級肉よりも安い肉の方が
噛む回数が増えて血流促進に効果的。
さらに唾液の分泌も増えて歯周病菌を
減らすことにも繋がります。
それから、オメガ3系不飽和脂肪酸という脂質を
含むサバなどの青魚も血管を元気にしてくれる食べ物です。
グリーンランドに住むイヌイットたちは
殆ど野菜を食べないのに心筋梗塞など
血管由来の病気がとても少ないのですが、
彼らの血液を調べたところ、
このオメガ3系不飽和脂肪酸が
多く含まれていることが分かったのです。
糖質の吸収を緩やかにする秘策としては
『早食い』をやめることも効果があります。
ゆっくり食べるコツは誰かと
一緒に話をしながら食事を楽しむこと。
一緒に食べる人がいないのであればテレビや
スマホを観ながら食事をしても良いでしょう。
お行儀という意味では難点がありますが、
一人で食事をするときのことですし、
早食いで寿命を縮めるよりはマシです。
また、食前に高カカオチョコを食べるのもおすすめ。
カカオポリフェノールには抗酸化作用があり、
血管を若々しく保つだけでなく
高血圧、高血糖、高中性脂肪を
防ぐ効果があることも分かっているからです。
食事前に一かけらを食べることで
血糖値スパイクも防ぐことができますから、
食前の高カカオチョコは一石二鳥どころか一石三鳥、
一石四鳥の効果があるのです。
他にも方法はいろいろありますが、
大切なのは『糖』『中性脂肪』
『ストレス『歯周病菌』に気をつけること。
皆さんも血管を若々しく保って、是非、
介護要らずの老後を楽しんでください。
(「週刊新潮」2023年04月13日号より)
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