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おはようございます!
肛門にできるがんは、
痔ろうがんだけではない。
肛門というとお尻のすぼんだ部分を
イメージする方が多いでしょうが、
その奥に4.5㎝ほどの長さの管があります。
医学的に『肛門管』と呼ばれる
この部分にできた肛門管がんと、
肛門の出口付近にできた
皮膚がんのことを『肛門がん』と呼びます。
これら2つのがんも痔ろうがんと同じく、
早期発見が難しいという。
前出の医師が言う。
肛門付近の皮膚に長期間炎症が続くと、
がんが発生することがあります。
なかなか湿疹が治らない、
肛門が荒れている、
肛門のかゆみが治まらないなどの症状が、
実は肛門の皮膚がんだったというケースがあるのです。
発見が遅れる理由としてよくあるのが、
お尻にかゆみなどの違和感を抱えているのに
恥ずかしさから肛門科を受診せず、
かかりつけの内科や皮膚科で肛門を見せずに、
外用薬を塗るだけで済ませてしまうことです。
内科や皮膚科で肛門を診ることは
ほとんどないので、異変を見落としやすい。
ある患者は医師の指示で3年問もステロイドを
塗ったのに全くかゆみが治まらず、
改めて肛門科を受診したら肛門の皮膚がんを
患っていたということがありました。
自己判断は危険なのだ。
また、肛門にできるがんは症状によっては
切れ痔やいぼ痔と間違われやすい。
医師が続ける。
”お尻が痛い”と訴える患者を診察すると、
切れ痔とその周りに腫れを認めました。
治療し、数週間後に改めて診察すると
傷は治っていたのに周囲の腫れが残っていました。
大きな病院を紹介したところ、
皮膚がんの一種である
基底細胞がんが見つかりました。
肛門治療の経験が少ない医師なら、
切れ痔が治ったからと治療を終了して、
がんを見逃していた可能性があります。
前出の医師も語る。
いぼ痔と間違われることも多い。
肛門がんの主な自覚症状としては、
腫瘍が膨らんできて肛門を触ると異物がある、
肛門の外側の皮膚が痛む、
出血や血便、便秘や便が細くなると
いったことが挙げられます。
ただし、いぼ痔も同様の症状があるので、
自覚症状だけでは見逃しやすい。
肛門科の医者が触診などで
診察しないと判断がつきにくいのです。
(「週刊ポスト」2022年08月05・12日号より)
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