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おはようございます！

脳の働きを狂わせる。

3年前、ベンゾジアゼピン系という種類の抗不安薬ソラナックスを飲み始めた

大久保淳了さん（仮名、71歳）は、

かつての自分の選択を、いまでも悔やんでいる。

長らく介護していた夫が亡くなった翌月、張り詰めていた糸が切れたように、

不安が押し寄せ、眠れない夜を過ごすようになりました。

そこで近所の精神科に相談したところ、薬を飲むことになったのです。

最初は、体調が良くなったらすぐにやめるつもりでした。

ですが、薬の効果が切れるたびに、強い不安がぶり返す。

薬が手放せず、気づけば1年半、飲み続けていました。

このままでは薬漬けになってしまう。

そう焦って、一念発起して薬を捨てたこともありました。

すると、薬を捨てたこと自体が不安で、胸が苦しくなる。

息切れがして、冷や汗が出て、頭の近くでガンガン鐘を

鳴らされているような頭痛に襲われたのです。

ついにはパニック状態に陥って、「このままでは死んでしまう」と怖くなり、

救急車を呼ぶと、病院へ緊急搬送されました。

結局、薬をやめられず、いまも毎日、飲み続けています。

12月8日の朝日新聞の報道によれば、ベンゾジアゼピン系薬は、

高齢者ほど副作用のリスクが高いにもかかわらず、

65歳以上の人に年間約21億錠も処方されている。

とりわけ、80代が最も多く飲んでいるというのも驚きの事実だ。

睡眠薬と抗不安薬と聞くと、まったくの別物のように感じるが、

実はその作用はほとんど一緒。

薬の効き目の微妙な違いで、2種に分類されているにすぎない。

どちらも、興奮状態にある脳の機能を「オフ」にする作用がある。

そのため、ベンゾジアゼピン系薬は、副作用が出やすい薬として悪名高い。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　（「週刊現代」2019年12月28日・2020年1月4日号より）

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