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おはようございます！

国民病とも言える高血圧だが、

その別名は『サイレントキラー』。

放置すると動脈硬化や腎不全などの

様々な合併症を引き起こす。

脳卒中や心筋梗塞など命に関わる

重大疾患のリスクが高まり、

最悪の場合、

突然死する可能性が高まります。

そう警告するのは、36年間にわたって

携帯型の血圧計を（入浴時以外）装着し、

自らの血圧を記録し続ける

『ミスター血圧』こと医師（日本歯科大学教授）。

高血圧の治療は降圧剤の処方が基本となり、

数値の高い患者は複数の薬を

服用するケースが珍しくない。

多剤併用の患者の多くは薬を減らしたいと望むものだが、

前述のように高血圧は一歩

間違えれば重篤な症状を引き起こす。

薬をやめても本当に大丈夫なのか―。

そんな不安を持つのも無理はない。

副作用や相互作用リスクの対応も含め、

定期的な薬の見直しは必要です。

医師が漫然と薬を処方している

ケースも少なくありません。

食生活や生活習慣の改善、

日々の運動などを無理なく積み重ねれば、

薬の量や服用回数を減らし、

究極的には薬をやめることも不可能ではない。

ただし、血圧コントロールは

生死に関わる重要な指標。

自己判断で勝手にやめるのは避けたい。

まずは降圧剤をやめることのリスクと

メリットを正しく知ることが重要です。

服用している降圧剤をやめたとき、

身体に何が起こるのか。

当然ながら、薬をやめれば血圧は上昇します。

怖いのは断薬の反動で血圧が

一気に急上昇するケースがあること。

上の血圧が180だったある患者は、

降圧剤で140まで下げていたのが、

薬をやめた途端に180以上まで

跳ね上がりました。

”圧のリバウンド”とも呼ばれる

『反跳性高血圧』という症状で、

薬の服用前よりも高い血圧を

引き起こす人もいます。

これにより脳出血や心筋梗塞による

突然死リスクが高まります。

では、降圧剤をやめるメリットは何か。

副作用や過降圧によるめまい、

ふらつきからの解放に加え、

多剤併用の場合は何より身体への

負担を大幅に減らすことができます。

医療費や通院時間も節約できるので

生活の質も上がるでしょう。

また降圧剤は一生飲み続けなければ

ならないと思い込んでいる患者が多く、

服用から解き放たれることで、

患者の精神的負担も大きく軽減します。

5大薬の特徴

一口に降圧剤と言っても様々な種類があり、

やめた際の影響も薬によって異なる。

カルシウム（Ca)拮抗薬、AＲＢ、ＡＣＥ阻害薬、

サイアザイド系利尿薬、そしてβ遮断薬の

5種類が主要な降圧剤です。

5大降圧剤にはそれぞれ効果や副作用の特徴がある。

減薬や断薬を考えるうえではそれを知ることが大切です。

Ca拮抗薬は高血圧患者の7割に

処方される日本で最もメジャーな降圧剤。

心臓の血管を拡げることで血圧を下げ、

狭心症の薬としても使われます。

降圧効果が高い分、やめると

リバウンド現象のリスクがありますが、

服用を続けても過降圧によるふらつきや

転倒のリスクが付きまといます。

Ca拮抗薬に次いで多く処方されるのがＡＲＢだ。

降圧効果が緩やかなため、

軽度高血圧向けの薬です。

血圧を上昇させるホルモンの作用を

ブロックして血圧を下げます。

また、腎臓、心臓を保護し、

尿酸値を下げる機能もあります。

ＡＲＢは腎機能が低下した

患者に処方されることが多いため、

やめると腎機能が悪化し腎不全などにつながる。

そのほか、ＡＣＥ阻害薬、サイアザイド系利尿薬、

β遮断薬を含めた5大降圧剤の

『やめた際のメリットとリスク』を

上掲の表にまとめた。

これらの降圧剤の特徴を踏まえ、

次項では薬をやめられる人、

やめたら危ない人を検証していく。

（「週刊ポスト」2024年06月07・14日号より）

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